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それぞれのブランチ ◆Jnb5qDKD06 白銀の世界。真夏の雪原。 白レンの世界であり、唯一存在を許される場所だ。 人の闇を具現化するその世界は知的生命体にとって悪夢に他ならない。 ある時は殺人鬼、ある時は魔獣、ある時は魔導士の暗黒面(ドッペルゲンガー)。 シルバーカラスとの戦いを終えた後もその白銀の世界は悪夢を生み出し続ける。そして今悪夢を生み出している白レンは──── 「今日はマサチューセッツ州の人間から新鮮なアサリを使ったクラムチャウダーが取れたわ」 炬燵に足をいれ、両手を合わせてご飯を食べていた。 炬燵の上には白いスープと茹でたロブスターが積まれており、反対側にキャスター……ドッペルアルルが座っている。 クラムチャウダーはアメリカ東海岸のニューイングランド、つまりマサチューセッツ州発祥の料理であり、牛乳をベースとした白いクリームスープである。 アサリとタマネギ、ジャガイモを細かく刻んでバターで炒めた後、小麦粉と牛乳を入れてクリーム状になったら上からパセリを載せるものがオーソドックスであるが、夢の主はこれにニンジンとキャベツを加えたアレンジを行っている。 「カニではないけど新鮮なロブスターが取れたのも幸運だったわ。流石にここならあのブサイクネコに喰われないし!」 ロブスターは日本の食卓には馴染みの薄い食材であるが、日本でいうところのカニに近い。触感もカニに近いらしく茹でたロブスターをバターにつけて食べたり、レモン汁に付けて食べるという。 他にも炬燵の上にはタラやマグロの刺身、アサリをふんだんに使ったパスタなどが並んでいる。 いっただきまーすと挨拶をして食器を持った白レンにキャスターは至極当然の疑問を口にした。 「キミ、本当に猫なの?」 「猫よ。厳密には違うけど」 「猫がタマネギとか海鮮類食べて大丈夫なの?」 「あのブサイクネコは食べてたし大丈夫でしょ」 そういって白レンはクラムチャウダーを手に付け始めた。 作り立てなのか温かく、木製のスプーンで一口、二口と口へ運んでいく。 ドッペルゲンガーアルルもぱく、ぱく、ぱくとロブスターを口にしていく。 「カレーの夢は無いの?」 「カレーライスの悪夢ってどんな夢よ」 「それを言ったらこの食卓そのものがアウトじゃない?」 「失礼ね。漁に不安を持つ漁師はたくさんいるのよ。漁業の神様なんてものまで作られるくらいにね。このあたりにも確か古い神様を信仰している漁村があるらしいわ」 「カレーの神様はいないのかい?」 「そんなもの聞いた事無いわよ。いたとしても信仰しているのはせいぜいあのシスターくらいよ」 「あのシスター?」 「何でもないわ、こっちの話よ。それよりどうしましょう?」 「ボクはホタテとタラをいただくよ」 「違うわよ! 聖杯戦争の話よ!!」 先ほどマスターの一人と戦闘し、今は魔力と体力を回復するために休息を取っている。 これからどうするべきか。他に協調性がありそうな走狗(マスター)を探すべきなのだが、生憎とそんなに簡単には見つかりそうも無い。 いや、それよりも急を要する事案がもう一つ。 「タタリの真似事をしている奴がいるわね」 「マスターより強力じゃない? 昼間に出てくるし、サーヴァント並に強い奴もいるし」 「失礼ね! あれは強力じゃなくて見境が無いっていうのよ! あんな何でも作るようなはしたないのなんて格下よ!」 誰かが悪性情報を具現化している。おそらく力の大きさからしてサーヴァント。そのせいで真夏の雪原にも影響が出ていて「現実化するほど明確な悪夢を呼び起こす」レンの能力が発揮できないでいる。 猫は自分のテリトリーを荒らされるのは気に入らない。荒らす者を許さない。 「誰だか知らないがこの迷惑料は高くつくわよ」 クラムチャウダーのアサリを飲み込んでレンはまだ見ぬ誰かに呟いた。 【???/1日目 午前】 【白レン@MELTY BLOOD】 [状態]まあまあ [精神]すっきり [令呪]残りみっつ [装備]なし [道具]なし [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針: 1.回復したらどうしようかしら [備考] ※固有結界は、魔力があるなら勝手に出入りできるみたい。マスターだけ閉じ込めるのは難しいかも。 ※シルバーカラス及びそのキャスターと宝具『反魂蝶』を目撃しました。 ※アーカム全域を覆うタタリの存在に気付きました。 【キャスター(ドッペルゲンガーアルル)@ポケットぷよぷよ~ん】 [状態]ばっちり [精神]かれー食べたい [装備]装甲魔導スーツ [道具]なし [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:マスターに従う。 [備考] ※シルバーカラス及びそのキャスターと宝具『反魂蝶』を目撃しました。 * * * 白い少女とやり合った彼、シルバーカラスはスシ屋に入った。 「Hey ラッシャイ!!」 黒人のイタマエが来店したシルバーカラス=サンに声を掛ける。勿論、日本語でだ。 キャスターの花見の場所取りと、白い少女の追撃を防ぐために寂れたイーストダウンからダウンタウンに入ったシルバーカラス=サンは魔力の補充と少々の休息のためにスシ・バーに入った。 無人スシ・バーでも回転スシ・バーでもない。 (もしやオーガニック・スシか? そんなに金持ってねぇぞ) オーガニック・スシ。魚の切身をネタにしたスシだ。 シルバーカラス=サンのいたネオサイタマでは高級品である。庶民は粉末状になった魚をネタにしたスシを食う。 (おいおい、イクラ・キャビアが200円とかあり得ないだろ。ここはぼったくりバーか?) そう思って席を立とうとした瞬間、声をかけられた。 「隣よろしいですか?」 振り向くとそこには東洋系の顔をしたマッポがいた。 * * * タタリを倒した後、亜門鋼太朗はロウワー・サウスサイドでもう一つの惨状を目のあたりにした。 砕かれたコンクリートの破片。散らばる肉片。溜まった血。瓦礫の下から聞こえる呻き声。 サーヴァント同士の戦闘があったのは明らかだ。 「ふざけるな」 亜門は激怒する。 この惨状を生み出したことに対してではない。この惨状を放置したことだ。 戦闘が終わって既に数十分は経っただろうこの場所にレスキューも呼ばず、怪我人を捨てて去ったのだ。 確かにそれが戦いのセオリーとして正しいと理解はできるものの人として間違っている。 携帯電話を取り出し乱暴に911のボタンを押した。 ▼ ▼ ▼ レスキュー活動が終わり、第一発見者としてダウンタウンの行政区に証拠資料を提出した後、署を出た時には既に午前の終わりが近付いていた。 (少し早いが食べるか) 早朝より戦闘を行った体はたんぱく質を求めていた。ならば、ハンバーガーショップやホットドッグを食べるのが良いのだろうが、今は日本食が食べたい。 もしかしたら知っている敵と戦って日本が恋しくなったのかもしれないなと半ば自嘲しながら適当に歩き回ると寿司屋が目に入った。 「マスター! 是非スシが食べてみたい」 「興味があるのか?」 「ああ。生きている時は調和された肉体を保つために食事が制限しててね。スシを食べる機会には恵まれなかったんだ」 「そうか。しかし幽霊に味覚はあるのか?」 「実体化していればね。もしかすると私が実体化して魔力消費が多くなるのは困るか」 「いや、それより他のサーヴァントに見つかる可能性がある方が問題だ」 「あーなるほど確かに…………駄目かな?」 ランサーが上目使いで指をもじもじする。 これで鎧と武器が無ければ端から見てマネージャーにねだるアイドルに見えただろう。 ふーと息を吐く。フェミニストでは無いが、これだけ頼んでいる女性を拒否するのは亜門にはできない。 「店の外から見てサーヴァントの気配が無ければ実体化していい。一応、俺も目で確認しよう」 「了解!」 破顔するところから察するに本当に寿司が食べたいんだなと亜門はランサーの以外な一面を確認して寿司屋の暖簾を潜る。 店内の客人はやはり欧米人が多い。 東京に住んでいたため寿司屋に外国人というのは見慣れているが日本人と外国人の比率が見事に逆転している。 (とりあえず空いているカウンター席に座るか) 二人しかいないのにボックス席を使うのはしのびない。丁度壁際が隣あって空いている席を発見した。 「隣よろしいですか?」 隣にいた中年男性に許可を取る。 「…………」 しまった。つい日本語で話しかけてしまった。 相手が日本人とは限らないのだ。亜門も日系アメリカ人として通っている以上、相手も同様の可能性を考慮すべきだった。 反省して英語で言い直そうとすると…… 「ドーゾ、お構い無く」 流暢な日本語が返ってきた。 日本語が通じてよかったと安堵していると、暖簾を潜ってきたランサーの姿が見えた。 「ランサー、こっちだ」 そう呼ぶと隣の男性がブッと茶を吹き出した。 * * * シルバーカラス=サンは飲んでいた水を吹き出す。 まさかのアンブッシュだ。まさか他のマスターとサーヴァントが同じスシ・バーに現れるなど予想できようか。 ランサーと呼ばれた妙齢の女性がこちらへ向かってくる。 (まずい、バレたか) 流石に今のはイディオット。 向かってくるサーヴァントはそのまま、シルバーカラス=サンの前に立ち 「大丈夫ですか?」 心配の声をかける。誰に? 勿論、シルバーカラス=サンにだ。 右手を上げて制止と大丈夫というジェスチャーをするとそうですかと言って座る。 念話でキャスターに連絡する。 (おいキャスター) (なぁにマスター) (今どこだ?) (あなたの自宅だけどどうしたの?) (スシ・バーにはいったら隣にサーヴァントが来た) (寿司、いいわねぇ) (イディオットかてめぇは。そこは重要じゃねぇ、サーヴァントの方だ) (マスターだってバレてないんでしょ?) (バレる要素はあるか?) (無いわ、多分) (そうか、じゃあ一旦切るぞ) (お土産にお寿司を買ってきて頂戴) (ボッタクリ・スシ・バーで買うわけねぇだろ) (私が行ってもいい?) (来るな) (来るなと言われると余計行きたくなるわ) (令呪を使ってやろうか) (ふふ、冗談よ) 念話を切る。 隣ではマグロ、ガリ、ロブスターのオーガニック・スシを食う音が聴こえる。 (今の内にズラかるか) 三十六計逃げるにしかずと古事記にもそう書かれている。 アンブッシュでマスターを殺るというのも手だが、このマッポは全く隙が見当たらない。 (いや、待てよ。何も食わずに出るとそれこそ不自然か?) スシ・バーに入ればスシを食うのがルールである。 幸い、横のマスターはマッポだ。ボッタクリ・スシ・バーでもマッポは相手にしたくないだろう。 「タイショー、マグロ一つ」 「ヨロコンデー」 そう言って一分後くらいにやってきたのは赤いルビーの如き切身を乗せたオーガニック・スシ・マグロだった。 それを口に運ぶ。ウマイ。ニンジャ味覚が本物のマグロだと言っている。 一皿、二皿と食していき、三皿目を空にするところでランサーのマスターとは逆の隣の席に青年が座った。 顔は日系。上から下まで黒く、独特の神秘アトモスフィアを纏っている。 「マグロ一つ」 ヨロコンデーというイタマエの声がして一分くらい後にスシが青年の前に置かれた。 * * * ────話は約数分前に戻る。 空目恭一とアサシンは戦闘後そのままノースサイドを一通り歩き回り、隣のダウンタウンで休息と軽めの朝食を取るためにカフェに入った。 カフェでコーヒーを飲んでいる空目にアサシンが念話で話かける。 (マスター。右斜め前方にいるアレ。そう、鎧来ている彼女。サーヴァントですわ) 見てみると背中に大きなバイオリンを背負った女が寿司屋の中を覗いていた。何を睨んでいるのか、もしや他のマスターが寿司屋にいるのだろうか。 (どうする?) (どうするも何も無い。放置だ) (いいの? あの中にあやめちゃんがいてサーヴァントが狙っているかもしれないのに?) 確かに可能性はある。あやめは『異界』の存在だ。サーヴァントと間違われて襲われる可能性もあるだろう。 しかし、あやめが一人で寿司屋に向かうヴィジョンが浮かばない。しかし可能性はゼロではない。 「行くか」 可能性がある以上、席を立つ。 暖簾を潜るとイラッシャイマセーというカタコトの日本語が空目を迎えた。 ざっと見渡してみればカウンター席に何人かの欧米人に紛れて日系人の男二人とその奥に先程のサーヴァントが座っていた。 とりあえずあやめはいないようだ。サーヴァントの3つ隣のカウンター席に腰掛けマグロ一つと注文する。 寿司が来る間にアサシンとの念話を開始する。 (どうやらあやめはいないらしいな) (で、どうしますマスター。あれの隣にいるのマスターらしいですわよ) (戦う必要は無い) (いえいえ、そうではなくて警官ということはあやめちゃんが保護されている可能性があるのでは?) (無論、その可能性もある。しかし、あやめのような人間とも英霊(オマエタチ)とも異なる存在の関係者という時点でマスターであると言っているようなものだ) (同盟を結ぶというのは?) (……相手に依るだろう。この蠱毒で積極的に相手を殺そうという相手には通じん) (一応、警官みたいですわよ?) (経験上、権力のある機関に人格を求めるのは間違いだと知っている) (それでは現状は放置かしら) (一応の接触は試みる。だが、決裂したらお前の宝具でサポートしろ) (了解ですわ、魔王閣下) 念話を切って茶を啜る。 聞き耳を立ててサーヴァントとそのマスターの会話を盗み聞きすることにした。 * * * 「美味い。美味いぞマスター!」 「日本の食べ物を喜んでもらったなら何よりだ」 「ああ、日本にいたことはあったんだが。スシを食う機会に恵まれなくてね。ネコ缶やら廃棄するハンバーガーばかりさ」 流石に最後のは冗談だろうと思って流しつつ、亜門もエビを注文する。 (そういえば日本食も久しぶりだな) このアーカムは北米らしい。そのためいつもホットドッグやハンバーガー、フランクフルトなどを食べていたから久しぶりの寿司は楽しみだ。 もしかしたらランサーじゃなくて自分が来たかったのかもしれないな そう思いながら茶を入れ、醤油を垂らし、箸を割って握られたエビの寿司を口へと運ぶ。 「かッ────!!」 そして亜門は思い知る。 自分の慢心を、こんな寿司屋で何も起きないだろうとタカを括っていた自分の油断を。 (なんッ……だ……これッ……は……) いや亜門は知っている。 与えられた衝撃で体中の体液が頭部へと凝集し、遂には体制御を振り切って涙腺から溢れ出し、苦悶が苦痛へと変容する。 聖杯戦争の知識として与えられ無かった亜門を追い詰める最悪の天敵。 「マスター?」 ランサーがマスターの様子に気づくがもう遅い。 彼は食らってしまったのだ 『ワサビ』を!! 亜門は忘れていた。寿司にはワサビが塗られることを! 亜門は知らなかった。アメリカではワサビが人気でこの店では大量にワサビが塗られることを。 日本食というホームグラウンドにいた慢心がもたらした緑色の辛味は甘党の亜門の味覚を破壊する。 「──────!」 発作的にガバッと茶を飲み、今度は茶の熱さに悶絶する。 淹れたて熱々の茶は舌を、というか口を蹂躙し喰種ではない人間の亜門はこれに耐えられない。 「グッ!!!」 コントの如き滑稽な状況だが、本人に取っては大真面目だ。火傷と辛味に耐えて、絞り出すような声で寿司を握っている職人に告げる。 「大将……」 「ワッツアップ?」 「水を…………ください」 「ヘイ、おまち」 今度は差し出された水を一気に飲んだ。 * * * シルバーカラス=サンはイクサの気配が無いと分かると席を立った。 隣でワサビショックしているマスターとそのサーヴァントは特に害は無い。ワサビショックしている今ならアンブッシュの一撃で殺せるだろうが、そんなことよりタバコだ。 ────というのはタテマエだ。問題はその逆。 シルバーカラスの危険信号はランサーのマスターと反対側に座った少年に向けられていた。ニンジャ第六感が逃げろと言っている。 この場で最強の存在は間違いなく右2つ隣に座ってオーガニック・スシを食っているランサーだ。それは間違いない。 なのに何故、モータルにしか見えない少年にニンジャ第六感がアラートを鳴らすのか。 理屈は不明。理解は不可能。しかし、シルバーカラスとしてはこの第六感を信じる。 「全部で6$ドスエ」 「ハイヨ」 「アリガトウゴザイマシタ」 雨が降り出しそうな曇天。キャスターへの土産のオーガニック・スシ・パックを持ってアパートへ向かった。 【ダウンタウン・スシ・バー/1日目 午前】 【シルバーカラス@ニンジャスレイヤー】 [状態]平常 [精神]正常 [令呪]残り3画 [装備]「ウバステ」 [道具]スシ [所持金]余裕はある [思考・状況] 基本行動方針:イクサの中で生き、イクサの中で死ぬ。 1.陣地構築のため、候補となる地点へ向かう。 ※亜門鋼太朗とそのサーヴァント(リーズバイフェ)を視認しました。名前や正確な情報は持っていません。 ※空目恭一を見ました。空目恭一に警戒を抱いています * * * 西行寺幽々子はマスターの指示通りイーストタウンのアパートで待機していた。 「今日は多いわねぇ」 死霊が増えていた。それも十や二十ではきかない。凡そ3桁に近い数の死者が街全体から出ている。 この時、西行寺幽々子は知りもしないが『固有結界タタリ』によって各地で大なり小なりのタタリが登場していたのである。 無論、他のマスターが撃滅したことで被害を防げた例もあるが、それでも倒されなかったタタリによって犠牲者は出続けていた。 NPC達はこの聖杯戦争に用意された駒であるが、同時に本物の人間である。 死ねば死霊が生まれるし、無念を宿せば怨霊となる。 「南東ね」 幽霊であり冥界の統率者である彼女はそういったものがどこから溢れているか理解できる。つまりどこで大量の死者が出たかが分かるということだ。 無論、死者というものは生者がいる限り産み出されるものであるし、不幸な事故ということもあるだろう。しかし、怨霊が明らかに局所に偏っていればそれは他殺であり同時にそこで殺戮が起きたと言ってもいいだろう。 『西行妖』は血を啜ることで条理から外れた妖怪桜である。故に魂や魔力を養分として開花するため生やすならば数多の死者が出た場所が良い。 もしも、そこでサーヴァント同士の戦いがあったならば当然、飽和した魔力が漂っているはずだ。なお条件として優れている。 マスターの帰ってきたら南東────すなわちロウワー・サウスサイドへ行ってみよう。 この時、もしも西行寺幽々子がもっと死霊達を細かく見ていれば不自然な死霊が混ざっていることに気付いただろう。 〝異界〟の出身にして死者である彼女を。 【イーストタウン/1日目 午前】 【キャスター(西行寺幽々子)@東方Project】 [状態]健康 [精神]正常 [装備]なし [道具]扇 [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:シルバーカラスに付き合う。 1.妖怪桜を植える場所の候補にロウワー・サウスサイドを挙げる。 [備考] ※各地に使い魔の死霊を放っています。 * * * 隣の男性がいなくなった席に一人の少年が座った。 無論、食事の後はまだ残っているし片付けなどされていない。 礼儀にうるさい日本人として、ましてや今は警官である亜門はこの若者に何か言ってやらねばなるまいと口を開きかけた時──── 「黒髪で臙脂のケープを着た少女を見なかったか?」 少年が先に口を開いた。そして亜門は眉をひそめ、怪訝な眼差しを少年に向ける。 前置きも無く質問する少年の口調、そして態度は図々しさを通り越して相手の状態に対する無関心と言っていい。 だが、それ以上に異常なのは質問の内容だ。この北米のアーカムで黒髪に臙脂のケープの少女のNPCなどそうそう出てくるわけも無い。 日本のアイドルグループがいるらしいが、彼らとて日本の伝統衣装で出歩いているという話は聞かない。 ならば、この質問が意味するところはつまり────いや、待て。まだ決まったわけじゃない。 必死に慣れない作り笑顔を浮かべ、少年に返答をする。 「知らないな。その子はお友達かな? 一体どうしたんだ?」 「ここ数日ほど行方がわからん。アーカムにいることは確実だから警察に保護されているかと思ってな」 「すまないがそんな特徴の少女を保護したとは聞いていない」 事実だった。亜門はこの聖杯戦争で魂喰いをする者を倒すと決めた時に手配犯や聖杯戦争に関わると思しき事件の関係者を洗ったが黒髪で燕尾服の少女などいなかった。 「そうか、見つけたらこの番号に連絡をくれ」 そう言って電話番号を渡すと少年は全く興味を無くしたというように席に戻った。 そして亜門はいつの間にか自分の右手がクインケの入ったトランクを掴んでいることに気付いた。 * * * 席に戻ると未だに怪しむ警官の視線を無視して食事を再開する主へ八雲紫は念話で囁いた。 (魔王閣下は豪胆ですわ) (何がだ?) (彼女。いつでも飛び出せるように臨戦状態でしたよ) (そうか) (マスターの方も何か持ってますわ。武器かしら?) (興味ない) 今、銃口よりも危険な物が自分に向けられていたと告げられていてもあるのは無関心。その様子に八雲紫は苦笑する。 言うまでも無いが空目恭一は撃たれれば死ぬし、飯を食わなければ餓死する。それどころか女と力比べで負けるほど華奢だ。 そして空目はそんな自分の脆弱さは理解している。大丈夫。何とかなる、などと都合の良い妄想や危機感の麻痺に陥ってなどいない。 つまり空目恭一という男は自身の生死すら無関心なのだ。死んだ? ああ、死ぬべくして死んだのだろうな。そう割り切って生きられる異常者。 改めて述べるが諦観や妄想の類で精神状態を維持しているのではない。強いていえば達観、或いは狂気だろう。幼い頃に〝異界〟という世界の裏側を知ってしまった彼は心をあちら側に置き去りにしてしまっている世界不適合者である。 そして実質、〝異界〟側の人間である彼はこちら側の事に興味を抱けない。ましてや他人の心情等に気づくはずも無い。 彼の周りにいた人間はさぞかし苦労させられたでしょうねとここにいない彼の仲間に同情の念を送る。 (あやめが警察に保護されていないことはわかった) (それじゃあもうお開き?) (そうだな、一度睡眠が必要だ) 生まれた時から妖怪であった八雲紫には分からないことだが、未明の時刻から今まで歩き通したマスターの体は休息を要求しているのだろう。 わかりましたわと呟いて念話を終了した。 そして空目は最後に皿に残っていたイクラを食べて勘定を払いに席を立った。 * * * 一体先程の少年は何だったのか。 ランサーことリーズバイフェ・ストリンドヴァリはあの少年に対し確かに危機感を感じた。これが聖杯戦争だから、怪しい人物だから警戒したと済ませてしまえば単純だがリーズバイフェの勘は否と断じた。 あの華奢な四肢から推察するに身体的な戦闘能力は極めて皆無。機械の戦闘義肢でないことは足音や動きから確認できた。 ならば魔術師かと言うとそれも否。魔力は感じず魔術・概念礼装らしきものは見当たらない。 血の匂いなどしないし何より敵意も殺意も無い。本当に聞きたいから聞いたという事務的な口調だった。 しかし、しかし、しかしだ。 何か無視出来ない違和感を感じたのは間違いない。 起源覚醒者、ただの魔眼保有者、或いは魔術を全く知らぬ異端者を相手にしているような感覚でありながら、そのどれとも違う。 リーズバイフェは職業柄膨大な数の異端と神秘、奇蹟を扱ってきた。だからこそ、この少年の〝知識では拭えぬ何か〟を見過ごすことが出来ない。 つまりあの少年は〝計り知れない〟のだ。現実に存在しながら現実に当て嵌める枠組みが存在しない者。 だからこそリーズバイフェは臨戦体勢に入っていた。視線も表情も変えず、だがいつでも飛び出せるように。 しかし結果は何も起きらず肩透かしを食らった気分である。 (私の勘も鈍ったかな…………) そう思って最後のマグロを注文した。これで十四皿目だった。 【ダウンタウン・寿司屋/1日目 午前】 【亜門鋼太朗@東京喰種】 [状態]正常 [精神]落ち着いてきた [令呪]残り3画 [装備]クラ(ウォッチャーによる神秘付与) [道具] 警察バッチ、拳銃、事件の調査資料、警察の無線、ロザリオ [所持金]500$とクレジットカード [思考・状況] 基本行動方針:アーカム市民を守る 1.他のマスターとの把握 2.魂喰いしている主従の討伐 3.白髪の喰屍鬼の調査 [備考] ※調査資料1.ギャングの事務所襲撃事件に関する情報 ※調査資料2.バネ足ジョップリンと名乗る人物による電波ジャック、および新聞記事の改竄事件に関する情報。 ※神秘による発狂ルールを理解しました。 ※魔術師ではないため近距離での念話しかできません。 ※警察無線で事件が起きた場合、ある程度の情報をその場で得られます ※シルバーカラス、空目恭一を目撃しましたがマスターだと断定はしていません。 ※空目恭一の電話番号とあやめに対する情報を得ました。あやめを保護した場合、彼に連絡します。 【ランサー(リーズバイフェ・ストリンドヴァリ)@MELTY BLOOD Actress Again】 [状態]健康 [精神]寿司うめぇ [装備]正式外典「ガマリエル」 [道具]なし [所持金]無一文 [思考・状況] 基本行動方針:マスターと同様 1.タタリを討伐する 2.キーパーの正体を探る [備考] ※女性です。女性なんです。 ※秘匿者のスキルによりMELTY BLOOD Actress Againの記憶が虫食い状態になっています(OPより) ※『固有結界タタリ』を認識しましたがサーヴァントに確信を持てません。 ※空目恭一に警戒を抱いています 【空目恭一@Missing】 [状態]健康 [精神]正常 [令呪]残り3画 [装備]なし [道具]なし [所持金]学生レベル [思考・状況] 基本行動方針:あやめを探す 1.ノースサイドでも探す [備考] ※邪神聖杯戦争の発狂ルールを理解しました ※既に人ではない彼はSANチェックに対して非常に有利な補正を得る。 あるいは、微細な異常ならばSANチェックを無視できる。(ただし、全てのSANチェックを無視する事はできない) ※ランサー(セーラーサターン)とその宝具『沈黙の鎌』を確認しました。 ※セイバー(同田貫)とそのマスターを確認しました。 ※ランサー(リュドミラ=ルリエ)とそのマスターを確認しました ※クリム・ニックとの間に休戦協定が結ばれています。 四日目の未明まで彼とそのサーヴァントに関する攻撃や情報漏洩を行うと死にます。 ※亜門鋼太朗とそのサーヴァントを目視しました。 【アサシン(八雲紫)@東方シリーズ】 [状態]健康 [精神]健康 [装備]番傘、扇子 [道具]牛王符(使用済) [所持金]スキマには旧紙幣も漂っていますわ。 [思考・状況] 基本行動方針:??? 1.マスターの支援 [備考] ※ランサー(セーラーサターン)とその宝具『沈黙の鎌』を確認しました。 ※セイバー(同田貫)とそのマスターを確認しました。 ※ランサー(リュドミラ=ルリエ)とそのマスターを確認しました ※クリム・ニックとの間に休戦協定が結ばれています。 四日目の未明まで彼とそのサーヴァントに関する攻撃や情報漏洩を行うと死にます。 ※亜門鋼太朗とそのサーヴァントを目視しました。 BACK NEXT 016 BRAND NEW FIELD 投下順 018 昏濁の坩堝へと 016 BRAND NEW FIELD 時系列順 018 昏濁の坩堝へと BACK 登場キャラ NEXT 008 Horizon Initiative 白レン&キャスター(アルル・ナジャ(ドッペルゲンガーアルル)) シルバーカラス&キャスター(西行寺幽々子) 004 アーカム喰種 亜門鋼太朗&ランサー(リーズバイフェ・ストリンドヴァリ) 021 Pigeon Blood 010 妖怪の賢者と戦姫 空目恭一&アサシン(八雲紫)
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著作一覧 著作一覧 文庫Missing 神隠しの物語 Missing 2 呪いの物語 Missing 3 首くくりの物語 Missing 4 首くくりの物語・完結編 Missing 5 目隠しの物語 Missing 6 合わせ鏡の物語 Missing 7 合わせ鏡の物語・完結編 Missing 8 生贄の物語 Missing 9 座敷童の物語 Missing 10 続・座敷童の物語 Missing 11 座敷童の物語・完結編 Missing 12 神降ろしの物語 Missing 13 神降ろしの物語・完結編 夜魔 -奇- 夜魔 -怪- 断章のグリムI 灰かぶり 断章のグリムII ヘンゼルとグレーテル 断章のグリムIII 人魚姫・上 断章のグリムIV 人魚姫・下 断章のグリムV 赤ずきん・上 断章のグリムVI 赤ずきん・下 断章のグリムVII 金の卵をうむめんどり 断章のグリムVIII なでしこ・上 断章のグリムIX なでしこ・下 断章のグリムX いばら姫・上 断章のグリムXI いばら姫・下 断章のグリムXII しあわせな王子・上 断章のグリムXIII しあわせな王子・下 断章のグリムXIV ラプンツェル・上 断章のグリムXV ラプンツェル・下 断章のグリムXVI 白雪姫・上 断章のグリムXVII 白雪姫・下 時槻風乃と黒い童話の夜 時槻風乃と黒い童話の夜 第2集 ノロワレ 人形呪詛 ノロワレ弐 外法箱 ノロワレ参 虫おくり 単行本夜魔 漫画Missing 神隠しの物語(1) Missing 神隠しの物語(2) Missing 神隠しの物語(3) ドラマCDMissing 呼び声の物語 ドラマCD『断章のグリム』―小人と靴屋― その他撲殺天使ドクロちゃんセカンド 第2巻 初回特典「帰ってきた!集えおかゆの仲間たち その2」 電撃h&p(はじまり&ピリオド)断章のグリム 金のかぎ 目指せ一千万部! 電撃文庫MAGAZIN プロローグ1 電撃コラボレーション「とある家族の謹賀新年」おおつごもりのアリス 電撃hPa御茶ノ水だよ!全員集合! 文庫 Missing 神隠しの物語 2001年7月25日発売:電撃文庫 物語は『感染』する。そして徐々に、現実は『異界』に喰われている。 これは現代の『神隠し』の物語。 その少女に関わる者は、誰もが全て『異界』へと消え失せるという怪異なる都市伝説。 幼い頃『異界』から生還した過去を持つ少年――空目恭一。 常に黒ずくめの格好をしている彼は、傲慢な態度とオカルトに関する圧倒的な知識量から 「魔王陛下」と呼ばれ変人扱いされていた。 そんな空目恭一が、一人の『神隠し』の少女と出会った時……! 鬼才が贈る現代ファンタジー、登場!! Missing 2 呪いの物語 2001年10月25日発売:電撃文庫 夜中の2時に、のろいのFAXがくる。 もし最初の送信を受けてしまったら、FAXは7夜のあいだ続く。 最後の7夜めのFAXを受けたら、あなたは次の日から同じ時間、同じ手順で誰かにそのFAXを送らなければならない。 もし送らなかったり、手順をひとつでも間違えれば……。 木戸野亜紀の部屋に送られた一枚のファックス。 奇怪な文字と紋様で埋め尽くされたそれは、実はとんでもない代物だった。 亜紀の周辺で次々と起こる異変。混乱する亜紀を救うため“魔王陛下”こと空目恭一が動き始めるが……! 人気の現代ファンタジーシリーズ第2弾!! Missing 3 首くくりの物語 2002年1月25日発売:電撃文庫 図書館の本にまつわる三つの約束事。 一、図書館にある『持出禁止』の本は、できるだけ読んではいけない。それには呪われた本が混じっている。 二、著者の死後に書かれた本。これは決して読んではいけない。死の世界へと引き込まれてしまう。 三、本を読んでいる途中に寒気がしたら、決して振り返ってはいけない。 その時、あなたの後ろには死者が立っている。 日下部稜子の持ち物に借りたはずのない一冊の本が混ざっていた。表紙の裏に押された『禁帯出』のスタンプ。 その本を「自分が返す」と言って持って帰った稜子の姉が首を吊って死んだとき、何かが動き始めた……! 人気の現代ファンタジー第3弾!! Missing 4 首くくりの物語・完結編 2002年3月25日発売:電撃文庫 あるところにお母さんと、三人兄弟がありました。お母さんは病気が悪くて、 山梨がくいたいと言いました……。 昔話『奈良梨取り』――。 そこに秘められた“真実の意味”が多くの人々を首くくりに誘ってきた。 そして今、死の連鎖を断ち切るべく、空目恭一が動き出す。 すべての謎を解き明かしてくれるはずの一冊の書物――『奈良梨取考』を追う彼らの前に現れたのは、 魔術に狂った一人の死人の妄執だった……。 異端の著作家・大迫栄一郎――“彼”と“首くくり”と“奈良梨取り”にまつわるすべての謎が解き明かされる――。 超人気現代ファンタジー、第4弾! Missing 5 目隠しの物語 2002年6月25日発売:電撃文庫 「コックリさん」――この儀式は心霊学的には霊魂との交信手段であり、 自動書記などの延長線上にある一方、 科学的には無意識の筋肉運動がもたらす現象だとして一応の決着がつけられている……。 聖創学院大付属高校で一人の少女が自殺した。死んだ彼女の名は雪村月子。 彼女は死ぬ前日、“そうじさま”と呼ばれる<儀式>を行っていた。こっくりさんと同じやり方で行うその<儀式>は、 学校に棲んでいるという小さな男の子の霊を呼び出すもので、 やがて、その<儀式>に誘われて参加していた近藤武巳の周囲にも異変が起こり始めた……! 超人気現代ファンタジー第5弾。 Missing 6 合わせ鏡の物語 2002年10月25日発売:電撃文庫 夜中の二時ちょうどに鏡を覗き込むと、鏡に死んだ人が映る。 深夜二時に合わせ鏡をすると、鏡の中から悪魔が出てきて、取り憑かれてしまう。 夜中に合わせ鏡をすると、霊が現れて鏡の中に引きずり込まれてしまう。 聖創学院に訪れた文化祭の季節。文芸部の面々も、会誌の作業に追われる日々を送っていた。 そんな中、美術部の特別展示である『連作・鏡の中の七不思議』に、 空目恭一らが遭遇した事件と明らかにリンクするモチーフが描かれていることを知った空目たちは、 作者である八純啓のもとへ向かったが……!? 超人気現代ファンタジー第6弾! Missing 7 合わせ鏡の物語・完結編 2003年1月25日発売:電撃文庫 私の小学校では一階から二階に上がる階段の所に鏡がかけてあった。 夜中の二時に鏡の前に立つと、幽霊が映ると言われていた。 昔、一人の女の子が夜中の学校に探検に行ったきり、帰ってこなかった。 心配したみんなが次の日になって見に行くと、その鏡の前に女の子の上履きが揃えて脱いであった。 その女の子は鏡の向こうに行ってしまったと噂になった。 鏡は私が四年生の時に取り外されて、今はない。 『連作・鏡の中の七不思議』の作者である八純啓が変死し、 行方不明になっていた赤名裕子と大木奈々美が戻ってきた。 だが異変は止まらない。そして……! 超人気現代ファンタジー第7弾!! Missing 8 生贄の物語 2003年5月25日発売:電撃文庫 羽間村の某が家の養ひ児、入らずの山に入りて帰らず。 神隠しに遭ひたりと聞く。 右、元屋の隠居たずねし折に伝へ聞きし事、ここに記すもの也。 聖創学院高等部で、シャワーを浴びていた一人の少女が消えた。学校に伝わるある怪談そのままに。 一方、空目恭一ら、文芸部の面々はとある場所に向かっていた。 そこにいたのは精神に異常を来した空目の母親で、彼女を皆が紹介した後、 空目は文芸部の面々にある宣言を行うのだった……! ついに羽間にまつわるひとつの秘密が明らかにされる――!! 超人気現代ファンタジー、第8弾! Missing 9 座敷童の物語 2003年10月25日発売:電撃文庫 座敷童とは「福をもたらす童女の霊」という形だけでなく、愛らしいどころか不気味な姿をしたもの、 また福だけでなく不幸の先触れである場合も『座敷童』の範疇に含むとしている。 あくまでも、この童子の本質は『怪異』である事を忘れてはならない。 「――ようこそ、みんな。“ここ”では久しぶりだねえ」 その言葉とともに、“魔女”――十叶詠子は聖創学院に帰ってきた。 そして、その“帰還”にあわせるように空目恭一ら文芸部の面々の間に微妙な亀裂が入り始める――。 超人気現代ファンタジー第9弾! Missing 10 続・座敷童の物語 2004年1月25日発売:電撃文庫 伝承の『座敷童』が“引っ越す”事があるのは知られているが、 実はこれに関しても陰惨な伝承との関わりが考えられている。 ある家に座敷童が入った時、多くはこのような話が語られる。 『ある家に子供が入ったが、出てくる姿を誰も見なかった。その後、その家は急に富み栄えるようになった』と。 「ここに闇あれ」 深夜、魔女・十叶詠子と、彼女の使徒たちが動き出した。今だ語られざる“なにか”に向けて。 一方、木村圭子のもとに現れた童子様の正体が明らかになり……! 超人気現代ファンタジー第10弾! Missing 11 座敷童の物語・完結編 2004年7月25日発売:電撃文庫 うちの学校には“夜に鳴るチャイム”の噂がありました。 それは絶対に聞いてはいけないチャイムで、死んだ人の時間が始まるということを知らせるチャイムなんだそうです。 そういえば、うちの学校には用務員さんや宿直の先生がいませんでした。 “どうじさま”はゆっくりと確実に聖創学院を蝕みつづける――。 その状況に抗するべきかつての文芸部の面々はすでに分裂してしまっている。 さらに復活した魔術師と魔女宗も動き始め……。 シリーズの核心に迫る第11弾! Missing 12 神降ろしの物語 2005年3月25日発売:電撃文庫 「……ねぇねぇ、トモ。知ってる? あのケータイの噂。 あ、知らないんだ? ふっふっふ。私ねー、聞いちゃったんだ。ケータイのね、怖い話。 そう。あのねぇ、ケータイって電波でしょ? だからね、ときどき悪い電波も拾っちゃうんだって。 死んだ人の声とか、ヤバいやつ」 聖創学院をむしばむ多すぎる数の怪談――だが、その怪談はある時期から徐々に数を減らし始めていく。 同時にいくつかの特定の噂がささやかれる頻度は著しく上がっていき……。 その先に待っているのは、魔女の望む世界なのか――。 超人気現代ファンタジー第12弾! Missing 13 神降ろしの物語・完結編 2005年6月25日発売:電撃文庫 神隠しの少女、あやめ。 神隠しに遭い、戻ってきた空目恭一。 その空目を護ることを誓った村神俊也。 呪われた血を持つ木戸野亜紀。 愛のために友を裏切った近藤武巳。 近藤のことをただ慕う日下部稜子。 人にあらざるモノ、神野陰之。 ひたすらに知識と力を渇望する魔術師、小崎摩津方。 呪われた土地に立つ聖創学院。 異界の世界を望む魔女、十叶詠子。 すべての因果が揃い、そしてかつて神が棲んだ山から、“ソレ”がやって来る―。 超人気現代ファンタジー、ついに完結。 夜魔 -奇- 2010年1月10日発売:電撃文庫 「君の奥底に眠る『願望』は、何だね?」 小学校の校庭に立つ、大きな桜の木。 この桜は子供を攫う。咲がまだ子供の頃、目の前で親友が桜の花びらに沈み、消えた。 風が薙ぎ、桜色のさざなみが立つ時、咲は悪寒とともに明確な危険を感じる。 ――桜の花びらは危険だ。 そして、親友のことを想い続け、魔女と出会った彼女は、密かに願う。 これは、『Missing』シリーズの夜色の外套を身に纏った魔人・神野陰之と、魔女・十叶詠子が紡ぐ物語。 そして二人の出会いとは――。 甲田学人が放つ渾身の幻想奇譚短編連作集、メディアワークス文庫『‐怪‐』と連動し、待望の文庫化。 夜魔 -怪- 2010年1月25日発売:メディアワークス文庫 恐怖はココロの隙間に入り込む―― 「君の『願望』は―何だね?そして、君の『絶望』は――」 満開の夜桜の下、思わず見とれるほど妖しく綺麗に佇んでいたのは、密かに憧れていた従姉だった。 彼女はその晩、桜の木で首を吊る。 ――彼女は桜の中にいる。……彼女に会いたい。 そう信じ、願う男は、遂に夜色の外套を身に纏う昏闇の使者と遭遇する。 曰く、暗闇より現れ、人の望みを叶えるという生きた都市伝説。 夜より生まれ、この都市に棲むという、永劫の刻を生きる魔人。 鬼才・甲田学人が紡ぐ渾身の怪奇短編連作集。 断章のグリムI 灰かぶり 2006年4月25日発売:電撃文庫 曰く、この世界に存在する怪現象は、全て“神の悪夢”の欠片である。 この悪夢の泡は人間の意識に浮かび上がると、急速に人の恐怖や悪意や狂気と混ざり合う。 そして、現実世界を変質させながら溢れ出し、悪夢の物語を作り上げる。 だが、浮かび上がった悪夢の泡が非常に大きかった時、個性が希釈されて物語の『元型』に近くなる。 明示的、暗示的、様々な形で『昔話』や『童話』のエピソードに似たものになる―。 普通であることが信条の白野蒼衣と、過去を引きずりつつ悪夢と戦う時槻雪乃。 人間の狂気が生み出した灰かぶりの悪夢の中で出会った二人が辿る物語とは―!? 鬼才が贈る幻想新奇譚、登場。 断章のグリムII ヘンゼルとグレーテル 2006年7月25日発売:電撃文庫 市立第一高校の一年生で時槻雪乃のクラスメイトの媛沢遥火は、通学途中で怪異に巻き込まれた。 自身が以前から恐怖症のように苦手としていた駐車場。 そこに停まっていた車の窓に、まるで赤ん坊がこちらを覗き込んでいたかのように、白い手形が二つ浮かんでいた。 彼女は、学校で腫れ物扱いされている時槻雪乃に話しかける唯一の少女だった。 そして同じ頃、白野蒼衣も、<グランギョニルの索引ひき>と名付けられた、 童話の形を取るほど大きな<泡禍>の予言を受けた。 おそらくは雪乃も一緒に巻き込まれるだろう予言に。人食いの物語(ヘンゼルとグレーテル)の予言を───。 かくして神の悪夢と混じり合った悪夢は、再び<童話>の形で現実のモノとなる。 鬼才が贈る悪夢の幻想新奇譚、第二幕。 断章のグリムIII 人魚姫・上 2006年12月25日発売:電撃文庫 薄汚れた洗面台で、老女はいつものようにひび割れた石鹸を取り上げて、掌で揉み始める。 乾いた石鹸はすぐにぬめりを取り戻し、白く濁った水がぬるぬると手にまとわりついて泡となって嵩を増やしていく。 最後に一通り両手の表面を泡で拭った瞬間、それまでとは違う異様な感触が掌に伝わり、そして―。 泡禍解決の要請を受け、蒼衣たちは神狩屋がかつて暮らしていたという海辺の町を訪れた。 過去に例をみないほど町中に溢れ出す泡禍の匂いの中、彼らは神狩屋の婚約者だった女性の妹・海部野千恵に出会う。 彼女は重度の潔癖性であった。奇しくも婚約者の七回忌を明日に控え、悪夢の泡は静かに浮かび上がる―。 鬼才が贈る悪夢幻想新奇譚、第三幕。 断章のグリムIV 人魚姫・下 2007年3月25日発売:電撃文庫 じりりりりりん!寺の敷地内にある住職一家の住居に、不意に電話のベルが鳴り響いた。 くぐもった遠い電話の音は、音が夜に食い尽くされたかのような静寂の中を虚ろに繰り返して、響き続けた。 誰も決して出ることなどなく、血と、腐った磯と、 そして石鹸の匂いが混じったような、異様極まる臭いがただよう住居の中に―。 神狩屋の婚約者の七回忌前夜、人魚姫の物語をなぞる惨劇は、蒼衣たちが訪れた海辺の町全体に広がっていく。 そして、大量の泡に押し潰されるかのように、徐々に泡禍に巻き込まれていく蒼衣と雪乃。 彼らが死の連鎖を誘う人魚姫の真相を知る時―。 鬼才が贈る悪夢の幻想新奇譚、第四幕。 断章のグリムV 赤ずきん・上 2007年7月25日発売:電撃文庫 小さな森の中。小さな神社へと続く、石と根だらけの細くて狭い、暗い道。 前を行く友人の律子に追いつこうと、危なっかしい歩みで必死に足を進める愛。 そして彼女は、神社を目前にした石段の上、律子の頭上にかかる朽ちた赤色をした鳥居から、 死体の色をした真っ白な“腕”が垂れ下がるのを目撃した…。 田上颯姫の妹が住む街で起きた女子中学生の失踪事件。 “泡禍”解決要請を受けた雪乃と蒼衣の二人を待ち受けていたのは、 愛の幼馴染みであり、雪乃へ敵意剥き出しの非公認騎士の少年だった。 『赤ずきん』の予言を受けた“泡禍”は、静かに新興住宅地の町を蝕んでいく―。 鬼才が贈る悪夢の幻想新奇譚、第五幕。 断章のグリムVI 赤ずきん・下 2007年12月25日発売:電撃文庫 街灯の明かりも届かない細くて暗い袋小路。暗闇の中から流れ出すのは、 鼻の奥を突き、口から胸へと流れ込む生臭い湿った鉄の匂い。 そして、墨に沈んだような暗い路地に浮かび上がるように、真っ白な裸の手足が無造作に転がっていた。 その前にしゃがみ込んでいたのは、小柄な少女の影―。 “泡禍”解決の途中で怪我を負い、意識不明の重体に陥った雪乃。 彼女の重荷をなくすため、蒼衣は単身、未だに手がかりの見えぬ謎へと立ち向かう。 徐々に『赤ずきん』の欠片は繋がっていくのだが、この街の狂気は想像を遥かに超えていた。 失踪事件を発端とした悪夢の結末に待っているものとは―!? 鬼才が贈る悪夢の幻想新奇譚、第六幕。 断章のグリムVII 金の卵をうむめんどり 2008年4月10日発売:電撃文庫 時槻風乃は、知っている。この世界と全ての存在は、常に『痛み』という火によって、焼かれ続けている。 幼い頃に火傷した時、火という物の本質は『痛み』であると学んだ。―火は『痛い』もの。 そして、彼女に燻り続けていた『火』と『痛み』への思索は醸成され、一つの結論へと―。 時槻雪乃のクラスメイトの古我翔花は、継母との確執により、いつも雪乃の家で泣いていた。 死んだ母親の居場所を、形見の指輪を守りたいが、翔花は悔しさと悲しみに明け暮れて泣いていた。 そんな時、ゴシックロリータに彩られた人形的な美しさを持つ風乃に出会い―。 悪夢の短編連作型で贈る幻想新奇譚。 断章のグリムVIII なでしこ・上 2008年8月10日発売:電撃文庫 七月初め。金森琴里が自殺した。恋人の石田臣は、その理由について自分を責めていた。 琴里の机の上に置かれた花瓶の前で落ち込み悩む臣。 やがて、無言のまま乱暴に一本の白いユリを引き抜き、立ち去っていく。 机の上にこぼれた水が広がり、その上に人間の足跡が浮かび上がったことに気づくこともなく―。 人魚姫の“泡禍”事件から二ヶ月。一人残された海部野千恵を見舞いに、蒼衣は雪乃と離れ、再び海辺の町を訪れる。 そして、蒼衣の目の前で繰り広げられたのは、琴里の母親の惨劇。 彼女の死を悼み臣が持ち帰った白いユリは、決して枯れることもなく静かに風に揺れていた―。 鬼才が贈る悪夢の幻想新奇譚、第八幕。 断章のグリムIX なでしこ・下 2008年12月10日発売:電撃文庫 『──────お姉ちゃん』 悲嘆と暗闇の中で泣いていた金森梢枝の背後から、突然少女の声が囁かれる。 背後の闇から聞こえてきた、小さく、くぐもった、しかし異様にはっきりと聞こえた声。 忘れもしない、忘れるわけもない、しかし記憶の中以外ではあってはならない、死んだ妹の、“声”。 金森琴里の自殺を発端に、徐々に悪夢が浸触していく海辺の街。 だが蒼衣は、ユリと物語の行方が分からぬまま、雪乃を置いて、地元の普通の日常に戻らなくてはいけない。 琴里の恋人だった臣と幼馴染みの一真を護るために必死な雪乃。 そして悪夢は、雪乃を心配する蒼衣の予想を大きく裏切り、拡散していく―。 鬼才が贈る悪夢の幻想新奇譚、第九幕。 断章のグリムX いばら姫・上 2009年4月10日発売:電撃文庫 教室で唐突に始まった怖い話。それは、初めてできた子を両親がボートから池に落として殺し、 可愛がっていた二番目の子が同じ場所で『今度は落とさないでね』と語りかける、という内容。 一緒に聞いていた真喜多莉緒は、その手の話が苦手だった。なぜなら彼女の名前は、死んだ姉と同じだったから―。 夏休みが始まり、雪乃とできるだけ長く一緒にいようと目論む蒼衣。だが、泡禍解決に赴いた雪乃と颯姫が戻ってこない。 雪乃たちは、死なない“異端”を相手に真喜多家に閉じ込められているらしい。 邸は異常現象により完全に外界と隔絶されていた。雪乃のためにも単身で邸内へと救出に向かう蒼衣だったが―。 鬼才が贈る悪夢の幻想新奇譚、第十幕。 断章のグリムXI いばら姫・下 2009年8月10日発売:電撃文庫 「…し…白野さん?雪乃さん!?」 真っ黒に焦げたドアと壁と天井。ひっくり返って破壊された棚。床はガラス片の混じった水で水浸し。 庭に出されていた田上颯姫は、恐る恐る戻ってきた居間の前で立ち尽くす。床に凄惨な血溜まりと、 ずーっと廊下の向こうへと続く人間を引きずったような血の痕が残る、誰もいない返事もない居間の前で―。 始まりは『生まれ変わりの子供』の話を真喜多莉緒が母親に話したことだった。 異形化した母親と荒んでいく家族関係、そして閉ざされた真喜多邸。 雪乃たちを助けにきたはずの蒼衣も隔離され、惨劇は予想以上に拡がっていく。 抗える者が減っていく中、雪乃の身体に異変が―。 悪夢の幻想新奇譚、第十一幕。 断章のグリムXII しあわせな王子・上 2010年5月10日発売:電撃文庫 大きな黒い霊柩車のような不審な車。かつてこの車を見た翌日、隣の家族は忽然と姿を消した。 その同じ黒い車が、密かに想いを抱く浅井安奈の家の前に停まっている。 安奈はあまり幸福とは言えない学校生活を送っている可憐な少女で、趣味を通して最近少しだけ仲良くなってきたところだった。 膨れあがる不安感に押され家の中に忍びこんだ多代亮介は、傷ついた安奈を連れ出して逃亡した。 蒼衣が深い傷を抱えた一週間後。処分しそこなった“泡禍”被害者を探すため、瀧修司と可南子の工房を訪れた蒼衣たち。 だが、可南子に対して雪乃は恐怖を感じずにはいられない。雪乃は“生き返り”という概念に疑問が隠せず、そして―。 悪夢の幻想新奇譚、第十二幕。 断章のグリムXIII しあわせな王子・下 2010年10月10日発売:電撃文庫 きっと、浅井は自殺したんだとおもう。 私は呪い殺されるなんてやだ。 ぜったい耐えられない。 だから死ぬことにする。さよなら。 病院で首を吊って死んでいた少女が残した手紙。 そこには、自分たちがいじめていた浅井安奈からの復習が匂わされていた。 いまだ解明できていない謎の死を遂げた安奈と、行き返りの彼女を連れて逃亡を続ける多代亮介。 被害はさらにクラスメイトたちへと広がっていく――。 一方で満身創痍の蒼依とさらには可南子に対して不信感が募る雪乃。 安奈たちを追うべくクラスメイトに接触を図るのだが、彼らよりも早く可南子が動き始めていて――。 鬼才が贈る悪夢の幻想新奇譚、第十三幕。 断章のグリムXIV ラプンツェル・上 2011年3月10日発売:電撃文庫 “―彼女の髪に、触ってみたい…” 少女が歩道橋を登り、階段の一番上に、ぺた、と差し掛かった時。 突然、ぐん、と後ろ髪を鷲掴みにされた感触と同時に、髪の毛が思い切り後ろに引っ張られた。 そして、恐怖とともに堕ちていき―。 いまだ葉耶の悪夢に苦しむ蒼衣は、葬儀屋の件でさらに自責の念に駆られていく。 葬儀屋の蘇りにより自我を保っていた保持者が多く、蒼衣は方々から恨まれていた。 周囲は蒼衣を休ませようと気を遣うのだが、“泡禍”解決の依頼は増えていくばかりで…。 そして舞い込んできた蘇りの娘が関わる“泡禍”事件に、 蒼衣も責任を取るかのように、雪乃と二人で解決に向かうのだが―。 悪夢の幻想新奇譚、第十四幕。 断章のグリムXV ラプンツェル・下 2011年8月10日発売:電撃文庫 「いま敵じゃないひとは、いつか敵になるひと。まだ気づいてないだけだよ……」 葬儀屋の蘇りによる影響はまだまだ続く。蒼衣に復讐を誓う少年は、自分も死ぬ覚悟で蒼衣を苦痛の海へと沈めていく。 遠くなりかけた視界に佇むのは、かつて蒼衣が破滅させ、いまは蒼衣を破滅させつつある、死した少女の姿だった。 そして、蒼衣の窮地を救った雪乃も、勇路を始末するべく、動き出す。 いまだ真相の掴めない〈泡禍〉に加え、勇路の存在は危険すぎた。蒼衣を置いていくことに不安は残るものの、 雪乃は一人〈泡禍〉の渦中へと飛び込んでいくのだが──。 断章のグリムXVI 白雪姫・上 2011年12月10日発売:電撃文庫 「『普通』なんて、いつか壊れて、ここに戻って来る。蒼衣ちゃんは『王国』の国民なんだから」 握り拳を震わせて言いつのる葉耶。蒼衣を苦しめる、かつて蒼衣が破滅させた少女の幻影。 だが、蒼衣は<泡禍>と出会うまで、葉耶の存在すら忘れていた。 過去に本当に起きていたことも覚えてはいなかった──。 そして、主の帰ることのない神狩屋の書斎で見つけたスクラップブック。 そこに記されていたのは、葉耶にまつわる過去の真相。そして──。 断章のグリムXVII 白雪姫・下 2012年5月10日発売:電撃文庫 「正直僕も、白野君をどれだけ追い詰めればいいのか、手探りなんだよ──」 日々苦しみ続けていた蒼衣の過去の悪夢の真相、雪乃が抱える様々な想いや誇り、そして神狩屋から消えてしまった颯姫と夢見子……。 謎が謎を呼び、混沌としていく神狩屋で、また一人 『白雪姫』 の悪夢に巻き込まれ、騎士たちが消えていく。 だが全ては、蒼衣の過去より、始まるべくして始まっていた──。 蒼衣と雪乃、そして最悪の悪夢の結末は── !? 甲田学人が描く悪夢の幻想新奇譚、ついに最終幕! 時槻風乃と黒い童話の夜 2014年1月25日発売:メディアワークス文庫 『自分は母親に好かれていないのかもしれない……』 中学二年の木嶋夕子は悩んでいた。常に優先される姉と、我慢をする自分。それは進路問題にまで発展していく──。 そしてある所では、母親の顔色を窺いつつ、二人で助け合っている兄と妹がいた。 だが二人の絆の中で広がっていくすれ違い。やがて負の想いが膨らんでいった時──。 彼女達が悩みの末に出会うのは、時槻風乃という少女。風乃は闇に溶け込むかのように、夜の中を歩いていた──。 「シンデレラ」「ヘンゼルとグレーテル」など、現代社会を舞台に童話をなぞらえた恐怖のファンタジーの幕が上がる。 時槻風乃と黒い童話の夜 第2集 2014年7月25日発売:メディアワークス文庫 「奈緒。わたし、可愛い?」 京本奈緒は、嘘が嫌いだ。その潔癖とも言える『嘘嫌い』のせいで親しい友達も少ない。 だが唯一、天城紅美子だけは中学校からの親友と呼べる存在だった。紅美子は奈緒が知る限り最上の美少女だが、 過度の寂しがり屋と浅慮な言動のため、同性からは嫌われていた。そんな紅美子の嘘や隠し事のないあけすけな言動は、 奈緒にとっては心地よかった。 だが事件は唐突に起きてしまう。そして闇夜を歩く時槻風乃に出会い、二人の少女の間に黒い影が落ちて──。 ノロワレ 人形呪詛 2012年12月10日発売:電撃文庫 双子の弟・真木現人は兄の夢人のことが嫌いだった。 主人公の虐めと呪いをテーマにした小説『呪験』で十五歳にして作家になり、上京した夢人。 そして、その内容に影響された殺人事件により帰郷するのだが、彼は七屋敷薫という婚約者を連れていた。 ──七屋敷は呪われている。七屋敷の花婿は、呪いによって、二年と経たず早死にするのだ。 そんな『呪い』が噂される婚約だが、夢人は暗い嘲り笑いを浮かべるだけだった。 そして、夢人を尊敬し慕う妹の信乃歩に、彼らを蝕む呪いの物語が、静かに始まりを告げていた──。 ノロワレ弐 外法箱 2013年5月10日発売:電撃文庫 同級生・日高護の祖母の葬式に出席した真木現人は、そこで騒ぎに巻き込まれる。 それは日高が過去に祖母から聞いていた「神様の入った箱」を差し出せというものだった──。 一方で現人の双子の兄・夢人は、その箱と同時に日高の家系にも興味を持ち始める。 それは脈々と引き継がれている『憑き物筋』で、呪いの本尊をその箱に収めているという。 兄の話に怒りを覚える現人だが、呪いの怪異はすでに浸蝕を始めており──。 ノロワレ参 虫おくり 2013年9月10日発売:電撃文庫 ──死ね。死ね。 天井から聞こえる微かな物音。少年の意識には、その音が狂おしく囁いているように思えた。そして……。 社で始まる「虫おくり」の祭りの準備中、街では蜂の被害が広がっていた。 被害は主に、信乃歩の学校で自殺した少年の住む地域で起きていた。 そして少年を虐めていた人間がまた一人、犠牲になっていく。果たして呪いと虫おくりの関係とは──。 単行本 夜魔 2005年11月10日発売:メディアワークス刊(単行本) ───その男は「陰(カゲ)」を引き連れて現れた。 「君の願望(のぞみ)は───何だね?」 人の噂に聞いたことがある。この都市(まち)に棲むという魔人の事を。 曰く、暗闇(やみ)より現れ、人の望みを叶えるという生きた都市伝説。 夜より生まれ、永劫の刻(とき)を生きるという昏闇(くらやみ)の使者──。 これは、『Missing』シリーズの夜色(ヨルイロ)の外套(マント)を身に纏った魔人と、 まだ中学生だった頃の魔女・十叶詠子が紡ぐ物語。そして二人の出会いとは──。 鬼才・甲田学人が紡ぐ、ホラー短編連作集! 漫画 Missing 神隠しの物語(1) 2005年6月27日発売:電撃コミックス 常に黒づくめの格好で、超常現象に関する圧倒的な知識量を持つ事から 「魔王陛下」と呼ばれる少年――空目恭一。 そんな空目が、ある日“あやめ”という名の少女を仲間たちに紹介する。 「恋愛など完全な錯覚」と言っていた空目が、突然彼女を連れてきた事に驚く周囲。 ところが程なくして二人が失踪。文芸部員の仲間たちは事件の真相を調べ始めるのだが――。 “その少女に関わる者は、誰もが全て『異界』へと消え失せる” 人々の間で噂される、都市伝説――『神隠し』。これは現代に起こった『神隠し』の物語。 Missing 神隠しの物語(2) 2005年9月27日発売:電撃コミックス 謎の少女あやめと共に姿を消した空目恭一。 空目がかつて“神隠し”に遭遇していた事を知り、事態を重く見た仲間達は、空目を探すため行動を開始する。 自らを「魔女」と名乗り奇妙な噂の絶えない少女、十叶詠子の元を訪れた村神と近藤。 あやめの存在に気づいていた彼女は、二人に“空目を取り戻す方法”を知るという人物を紹介する。 一方、“憑き物”の相談として近くの寺院を訪ねた木戸野と日下部。だが、二人の前に現れた人物は――!? 「魔女」「霊能者」「精神科医」……空目失踪の手がかりを知る者達が語る、事件の裏側に隠された驚愕の真相、 そして少女あやめと神隠しの関係とは――!? Missing 神隠しの物語(3) 2005年11月26日発売:電撃コミックス あやめの正体を知りながら、自ら望んで神隠しに遭遇した空目恭一。 空目はいったい何の目的で神隠しに遭遇したのか? この世界を脅かす「異界」と少女あやめの関係を知った文芸部員たちは、空目の立場になってその理由を考察する。 空目失踪から既に三日。具体的な対策に思い至らぬまま、仲間たちに焦りが生じ始めていたその時、 武巳の携帯に空目から着信が入り――!? "こうこう、さくら"……わずかな手掛かりをもとに学校へと向かう仲間たち。 その先に待っていた衝撃の結末。そして、空目の真の目的とは――? 「神隠しの物語」編、ついにクライマックス! ドラマCD Missing 呼び声の物語 2002年11月8日発売:メディアワークス 芳賀が持ってきた一本のテープ。 それは、彼らの学校の生徒である遠見梨花子が聴いた後に発狂してしまった「呪いのテープ」だと言うのだ。 何らかの霊的なものがあるのか、解明して欲しいと・・・。 それを聴いたメンバーのうち、唯一亜紀だけに曲に重なって「助けて」と言う声が聞こえるのだった。 ドラマCD『断章のグリム』―小人と靴屋― 2009年8月11日発売:アスキー・メディアワークス 物語の舞台は雪乃がまだ騎士になったばかりの頃。 祖母の死体発見というトラウマを抱える伊東穂の周辺に、徐々に〈泡渦〉の手が伸びていく。 夜中に響き渡る狂気の物音や親戚の自殺。そして、常に現場に残されている一対の靴。 事件の解決要請を受けた雪乃は、物語の真実に近づけるのか――。 その他 撲殺天使ドクロちゃんセカンド 第2巻 初回特典「帰ってきた!集えおかゆの仲間たち その2」 2007年11月21日発売:ジェネオン エンタテインメント 前回のシリーズでも好評だった電撃文庫人気作家によるドクロちゃんトリビュート小説入り! 第2巻は「Missing」、「断章のグリム」でおなじみの甲田学人さんが執筆! 電撃h&p(はじまり&ピリオド) 電撃15年祭(2007年11月24日、25日)限定販売:メディアワークス あなたが大好きでよく知っていると思っていた小説。 その小説の第一話&最終回が、違う形になっていたとしたら――。 著者自らが書き下ろした、あなたの知らない世界がここにある。 こんな最終回&第一話はいやだ!? 断章のグリム 金のかぎ 目指せ一千万部! 電撃文庫MAGAZIN プロローグ1 電撃コラボレーション「とある家族の謹賀新年」 2007年12月10日発売:メディアワークス ジャンル:ファンタジー、ラブコメ、ホラー、ミステリ、そして成田(?)。 電撃が誇る5人の人気作家とイラストレーターが描く、 摩訶不思議な家族の大晦日の一日。 これを読まずして2007年は終わらない! おおつごもりのアリス ――自分は、この家の一員になれていないのではないか? 古風な家に嫁いだ母親が抱える悩みの先に 待っている結末とは――!? 電撃hPa 御茶ノ水だよ!全員集合! 2005年11月25日発売:メディアワークス 電撃文庫キャラクターTRPGリプレイ これは、電撃文庫のキャラクターでTRPGを楽しもう!という企画である。 もちろんキャラを操るプレイヤーは創造主たる作家本人。 ゲームマスターをつとめる甲田学人氏が描いた『Missing』の世界を舞台に電撃文庫のキャラクターが大暴れ!
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武巳「陛下ー!大変大変!何でも“阿呆風邪”とか言う奴が流行ってt 空目「…だれだおまえは」 武巳「…え?…陛下?」 村神「…空目?…一体どうした?」 稜子「…魔王様?」 亜紀「……恭の字?」 空目「……だいたい『へいか』だの『まおうさま』だの『きょうのじ』というのはだれのことだ?」 武巳(…まさか陛下、“阿呆風邪”にかかった?) 村神(“阿呆風邪”?お前がさっき言っていたやつか?) 稜子(たしか、老人ボケみたいな症状が出るって聞いた事があるよ) 亜紀(正確には“記憶遡行症状”だけどね。要するにあの恭の字は見た目はそのままで若返ったみたいなものだよ) 武巳(しかし、陛下には悪いけどあまり違和感が無いな…) 稜子(確かにそうだよね) 村神(それはそれとしてこれからどうする?幾ら何でもこのまま放っておくわけにはいかんだろう) 亜紀(取り敢えずは保健室に連れて行った方がいいだろうね) 武巳(それじゃあその役割は俺が…… 空目「…そこでかたまってなにをはなしているんだ?」 武巳「い、いや、何でも無いよ。そうだ、そう言えばまだ名前を聞いてなかったね、君の名前と学年は?」 空目「…1ねん4くみ、うつめきょういち…(クシュン)…ん?どうしたのおにいさんたち?」 武巳(…また退行した?) 村神(これはこれ以上退行しないうちに早く保健室に連れて行った方がよさそうだな) 稜子(そうだね。…?亜紀ちゃん、どうしたの?) 亜紀(…………ハッ、な、何でもないよ) 武巳「(…?)…さあ、お兄さんと一緒に保健室に行こうか」 空目「うん、わかった!いっしょにいこう!」 武巳「…(やっぱり違和感が拭えないな…とりあえずこの事は陛下には黙っていたほうがよさそうだな)」 亜紀「……(あの恭の字の可愛さは反則だよ…)」 CAST Missing 空目恭一 近藤武巳 日下部稜子 村神俊也 木戸野亜紀 ゴードン症候群(阿呆風邪) ある日、爆弾が落ちてきて(おおきくなあれ) より
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第362話:缶詰の物語・無謀編 作:◆l8jfhXC/BA 殺し合いが行われているとは思えないほど静かな学校の中。 読書にふける空目恭一を、クリーオウはぼんやりと見つめていた。 (……暇) 彼の持ってきた本を読もうともしたのだが、三ページで挫折した。 他の五人が帰ってくるまで、することがない。 「みんなまだかな?」 「放送まで後二十五分だ。問題が起きていなければ、もうまもなく帰還するだろう」 「問題……。大丈夫、だよね」 「皆戦闘能力があるものばかりだが、五体満足でいるのは難しい。無事に帰ってくることを願うしかない」 断言して、恭一はふたたび本に視線を戻した。 静寂がふたたび訪れる。 (……会話も続かないし) 恭一がいてくれるおかげで不安と恐怖は抑えられているが、やはり沈黙は寂しい。 彼にしてみれば、自分との会話よりも読書の方が面白いのだろう。 隣に人がいるときくらい、その人の方に興味を持ってほしいのだけれど。 (悠二ともっと話せばよかった) せめて放送まで引き留めておけばよかったと、今更後悔する。 (あ、そういえば缶詰をもらったんだっけ) “友好の印”としてもらった大量の缶詰のことに思い出す。 ……そして、ここに来て以来何にも口にしていないことに気づき、今更空腹感を覚えてしまう。 食欲には勝てず、クリーオウは缶詰とペットボトルをデイパックから取り出した。 「ね、もらった缶詰食べていいかな? みんなと一緒に食べた方がいいけど、お腹がすいちゃって」 「かまわない」 「あ、恭一も食べる?」 「……もらおう」 「はい!」 恭一に缶詰を手渡し、自分も一つ手に取る。 パッケージはない。中身は悠二も知らないらしいが、さすがに毒ではないだろう。 底にあるプルタブをひっぱり、缶を開けた。 「あ、桃だ」 中にはおいしそうな二つ割りの黄桃が入っていた。ここで甘いデザート類が食べられるのは嬉しい。 「そういえば、わたしの住んでる町に爆安缶詰市っていうのがあってね。 一人十個だから、昔マジクが誰かの買い出しに付き合わされて、わたしの約束すっぽかされて……」 まだ旅に出てもいない──彼と同じ学校に通っていたころを思い出して、少し心が沈んでしまう。 (……わたしまた暗くなってる) 自分で話題を出しておいて自分で沈むなんて滑稽すぎる。 その気持ちを振り切るようにかぶりを振り、 「……とにかく食べよう!」 ぬるっとしている桃を、手でつかんで食べた。 恭一も同じように口に運ぶ。 「…………!?」 明らかに桃ではない感触と味が口の中に広がった。 ──たとえるなら、筋だらけの硬い肉。 焼肉のタレのような濃い味と、汗くさいような味もした。 「…………うー」 「…………」 口からそれを吐きだして、ペットボトルの水を一気に飲んだ。 恭一も珍しく複雑な感情を顔に浮かべている。同じ味だったのだろうか。 彼も自分と顔を見合わせた後、その謎の物体を缶詰に戻──そうとして、止まった。 見ると、缶詰の底に目を向けている。 「……?」 彼の隣に行き、同じく底を覗いてみる。 そこには、毛筆体でこうかかれていた。 『非情食第一弾・筋肉であそぼう』 「……」 「……」 「他の八つが同じものであるという確証はないが……食べない方が無難だな」 「……うん」 なにせ“第一弾”だ。これより奇妙なものが入っているかもしれない。 「本当に、どうしても、お腹がすいてしょうがなくなったときまでは食べたくないね……」 口直しのパンをかじりながらつぶやく。最初から缶詰でなくこっちにしておけばよかった。 恭一は、こちらのペットボトルから水を一口飲んだ後、すぐにまた読書を再開していた。 (あんな顔するなんて意外だったな) 恭一があれを食べたときに見せた表情を思い出し、顔を緩ませる。 彼も、完全に無感情というわけではないようだ。 話しかけたときも、こちらを無下にはされたものの嫌がられたことはなかった。 素っ気なく返されても積極的に話題を振り続ければ、もう少し親しくなれるかもしれない。 「……恭一!」 「何だ?」 「あのさ、恭一が元の世界にいたときのことを話してくれない……?」 「……ああ、わかった」 少しの沈黙の後、あっさりと彼は了承してくれた。 (“物語”に関わることを省けば、問題はないだろう) そう考え、空目はクリーオウに元の世界の生活のことを話し始めた。 興味津々で質問してくる彼女同様、自らもまた異世界の文化には興味があった。 彼女の世界とは、文化自体にはかなりの違いがあったが、学校の体系自体はそれほど相違が見られなかった。 (根本的なところでは同じ部分がいくつもある。やはり、平行世界のようなものか) おそらくここには、大きく分けて二つの類似した世界から呼び出された参加者達がいる。 クエロ、せつら、そして自分のような、主に科学が発達した世界から来た者達。 サラ、クリーオウ、ゼルガディス、ピロテースのような、主に魔法などの超常現象が発達した世界から来た者達。 (一体、どれくらいの世界から引っぱってきているんだ? ──そもそも、多数の世界から多数の参加者を拉致した目的は何なんだ?) 疑問は次から次へと湧いてくる。余裕があれば、集合したときに議論してみたい。 (……“殺し合う”という条件さえなければ、より多くの世界の住人から知識が得られたのだが──仕方がないな) 異世界の知識の一端に触れることができただけでも、幸運だと考えた方がいい。 ──と。 廊下を歩く足音が、耳に入った。 「……誰か、来た?」 (足音をまったく殺していない。仲間か、殺し合いを望んでいないか……誘い出そうとしているのか) どちらにしろ、覚悟はしておいた方がいい。 「逃げる準備をしておこう」 「うん」 二人で窓の近くに寄る。鍵は最初に部屋に入ったときに外してあった。 自分のデイパックを手に取り、いつでも開けられるようにジッパーに手を掛けておく。 「……」 クリーオウが不安そうにこちらを見る。 自分も彼女も、戦闘には向いていない。頼れるのはこのデイパックの中身しかない。 そして、足音が保健室の前で止まった。 「クリーオウ、空目、そこに、いる?」 「──クエロ!」 その声は、確かにあの女性のものだった。 「……! 大丈夫!?」 そして戸が開かれた刹那、クエロが保健室の床に倒れ込んできた。 外傷は見られないが、相当疲労しているようだ。 ──それと、顔には涙の跡が見られた。 「ごめん、なさい、少し……休ませて」 「あ、うん。今、毛布持ってくるから!」 言うなりクリーオウは保健室のベッドへと向かい、クエロに人肌で暖まった毛布をかぶせた。 「……ありがとう」 「怪我はしてない? 包帯とかもあるから」 「……ゼルガディスは、どうした」 「……!」 クリーオウを押しのけ、一番気になっていたことを問う。 予想は、なんとなくついているが。 「……ごめんなさい。私のせいで、彼は…………殺されたわ」 かすれた声でクエロは言った。 彼女の目から、涙がこぼれ落ちていった。 【D-2/学校1階・保健室/1日目・11 45】 【はぐれ罪人はMissing】 共通行動:学校を放棄する時はチョークで外壁に印をつけて神社へ 【クリーオウ・エバーラスティン】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:支給品一式(ペットボトル残り1と1/3。パンが少し減っている)。缶詰の食料(IAI製8個・中身不明) [思考]:みんなと協力して脱出する。オーフェンに会いたい 【空目恭一】 [状態]:健康。感染 [装備]:なし [道具]:支給品一式。《地獄天使(ヘルズエンジェル)号》の入ったデイバッグ(出た途端に大暴れ) [思考]:刻印の解除。生存し、脱出する。詠子と物語のことを皆に話す [備考]:刻印の盗聴その他の機能に気づいている 【クエロ・ラディーン】 [状態]:精神的に相当の疲労、気を抜くと意識を失うレベル [装備]:毛布。魔杖剣 贖罪者マグナス [道具]:支給品一式、高位咒式弾(残り4発) [思考]:ゼルガディスを殺したことを隠し、ガユスに疑いを向ける。 集団を形成して、出来るだけ信頼を得る。 魔杖剣 内なるナリシア を探す→後で裏切るかどうか決める(邪魔な人間は殺す) [備考]:高位咒式弾の事を隠している ※食べかけの缶詰二つが保健室に放置されています。 2005/07/16 改行調整、三点リーダー・ダッシュ一部削除 ←BACK 目次へ(詳細版) NEXT→ 第361話 第362話 第363話 第368話 時系列順 第386話 第330話 空目恭一 第364話 第337話 クエロ 第364話 第330話 クリーオウ 第364話 第330話 地獄天使号 第364話
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「閣下は豆、撒かないの?」 「下らん。価値の見出だせないモノなぞする必要はない」 『魔王』と呼ばれる少年は一瞬本から目を離し、当然と言うかのごとくそう語る 「でもさ、周りがアレなのに俺たちだけのんびりってのも」 もう一人の平凡な少年は周囲の惨劇を眺め、何とか参加する方法はないか、と必死に語りかける 「…この状況をどうにかしてくれと言うのか?」 「…まぁそんなとこ」 実際は参加もしたいのだが、黒ずくめの少年から ただならない威圧感みたいなものを感じ、つい頷いてしまったようだ 「…あやめ」 「え?あ、はい」 魔王の言葉で少女の輪郭が明らかになった。 それはまるで、いままで机の存在しなかった人形が、ふと気付くと机の上に存在しているかのように 「鬼を外に導きましょう」 ―――凜 少女の詩で世界の空気が変わる 「夜の闇の牢獄より昼の光の監獄へ 訪れの無い自由を知りながら外へ出たがる愚かで全てを知る鬼を 闇の外へと導きましょう」 辺りから雑音が消え、あちこちから生徒や教師の悲鳴が聞こえた …一人の教師と生徒の狭間の魔法使いが悪ノリで声高にニフ〇ム!と叫んでいる事を除いて 「…これで満足か?」 『魔王』と呼ばれる少年が不機嫌そうにそう話しかける 「…うん。十分だと思うよ」 もう一人の少年は顔を青くして応じる 「…そうか」 やがて黒ずくめの少年は、本に目を戻し何もなかったかのようにページを捲り始めた ちなみに、武巳の密告により判明したこの神隠しから 生徒と教師を救いだすのに三日はかかったそうな CAST Missing あやめ 空目恭一 近藤武巳 まじしゃんず・あかでみぃ 佐久間榮太郎
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◆Sf10UnKI5A氏の手がけた作品 002 共同戦線 016 英雄と殺人鬼 065 犬と天使の覚醒 131 lonely dog 151 彷徨う紅薔薇 161 暫しの平穏 180 大佐と逃がし屋の決意 189 禁止エリアのもたらすもの 207 見ることの出来ぬ敵 218 歪められた最強の存在 232 ムンクと二人 278 それぞれの思惑 294 決して叶わぬ目的のために 304 野犬の出立 319 閑話~女三人集まれば~ 338 首無しライダーの話―Dullahan― 339 切れた運命、散る薔薇、そして眠る獅子 370 集結に向けて 382 存在を成す復讐の念 392 願う再会、願わぬ再会 408 戯言は止まらない 426 学生服と日本刀 429 狂犬は戦いを欲す 452 指し手の備え 453 利害の一致と利用価値 460 犬は静かに悪と語る 465 ブラック・ストマック(腹の探りあい) 470 新たなる魔女の襲来 471 用意するものは、狙撃手とガスボンベです 登場させたキャラ 計 名前 【09】 テッサ、ベルガー 【07】 リナ、折原臨也 【06】 シャナ、ダナティア 【05】 マージョリー 【04】 甲斐氷太、風見・千里 【03】 物部景、セルティ、慶滋保胤、萩原子荻 【02】 ミズー、ガユス、小笠原祥子、佐山・御言、新庄・運切、サラ 【01】 海野千絵、ベリアル、十叶詠子、空目恭一、クエロ、キノ、しずく、BB、アイザック、ミリア ブギーポップ、シロちゃん、相良宗介、千鳥かなめ、出雲・覚、オドー、シュバイツァー、零崎人識、哀川潤、匂宮出夢 長門有希、高里要、アリュセ、ドクロちゃん、クリーオウ 作品の感想 色々あったけど、好きか嫌いかで言うならば好きだ。 -- 名無しさん (2007-05-27 11 50 27) 名前 コメント
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殺害ランキング及び詳細 殺害数 順位 該当者 人数 被害者 生存状況 1位 とら 8人 フィア、聖白蓮、白面の者、藤木茂、墓場鬼太郎、赤木しげる飛影、サーニャ・V・リトヴャク 死亡 2位 磯野波平 4人 絵、アンパンマン、田所剛史、佐倉杏子 死亡 3位T 火の鳥 3人 荒木飛呂彦、ラインハルト・ハイドリヒ、天魔・夜刀 死亡 絵 東海道和馬、潮田渚、天狗 死亡 5位T ラインハルト・ハイドリヒ 2人 火の鳥、ベクター 死亡 橘朔也 ジョーカー、ケフカ・パラッツォ 死亡 霧雨魔理沙 磯野波平、霧雨魔理沙 死亡 モハメド・アヴドゥル 孫悟空、ランス 死亡 神奈瞬 神使勇護、ミネア=ゼイバーン 死亡 孫悟空 ラウド・エリヤミス、ベアトリーチェ 死亡 ランス 平将門、モハメド・アヴドゥル 死亡 12位T ザ・ヒーロー 1人 夢見香奈江 死亡 白野蒼衣 金糸雀 死亡 神使勇護 バージル 死亡 ベクター 高町ヴィヴィオ 死亡 ケフカ・パラッツォ 橘朔也 死亡 バージル 恐怖の大王 死亡 東京王マエバヌス アドルフ・ラインハルト 死亡 アドルフ・ラインハルト 東京王マエバヌス 死亡 八雲藍 八雲紫 死亡 天樹錬 とら 死亡 司馬懿サザビー 司馬懿サザビー 死亡 消滅 人数 該当者 3名 野獣先輩、空目恭一、緑川なお 主催戦で死亡 人数 該当者 31名 ダンテ、八雲藍、キャスター、白鬼院凛々蝶、ボボボーボ・ボーボボ、赤坂衛博麗霊夢、ベール・ゼファー、シオニー・レジス、千手扉間、刹那・F・セイエイ門矢士、ストレイボウ、九澄大賀、高町なのは、大十字九郎、グラハルト・フォン・ウェデマイヤー神奈瞬、小鳥遊六花、グラハム・エーカー、立花響、間黒男、神崎蘭子、天樹錬左翔太郎、東方仗助、ザ・ヒーロー、サイタマ、丸藤亮、上田次郎、白野蒼衣
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第489話:第三回放送 作:◆eUaeu3dols 時計の針が午後6時を指すと同時に、生存している全ての参加者に声が聞こえた。 それを待っていた者にも、一時でも忘れていた者にも、等しく放送が耳へと届く。 「諸君、第三回放送の時間だ。 まずは死亡者の発表を行う。 皆、よく殺し合いに励んでくれているらしくとても良い経過を出してくれている。 知り合いや出会った人間、あるいは敵や仇の名が無いか確認してくれたまえ。 004緋崎正介、006空目恭一、008ガユス、016キーリ、024しずく、 031袁鳳月、032李麗芳、035趙緑麗、042シャーネ・ラフォレット、 043アイザック・ディアン、044ミリア・ハーヴェント、048霧間凪、049フォルテッシモ、 053アーヴィング・ナイトウォーカー、054ハックルボーン神父、 059テレサ・テスタロッサ、076宮野秀策、082いーちゃん、084哀川潤、085萩原子荻、 095坂井悠二、096マージョリー・ドー、102カイルロッド、116サラ・バーリン ……以上24名。 少しやりやすくしたとはいえ第一回放送を超えるとは思わなかった。 次に禁止エリアを発表する。 19 00にC-8、21 00にA-3、23 00にD-6が禁止エリアとなる。 次の放送の時に何人の名を呼ぶ事になるか、実に楽しみだ。 その調子で励んでくれたまえ」 上機嫌なような嘲笑うような、そんな声が徐々に遠ざかり、放送は終わった。 [備考] 18 30に霧が晴れ視界が開けます。 空に月が昇りますが、雲は立ちこめたままでとても暗くなります。 ←BACK 目次へ(詳細版) NEXT→ 第488話 第489話 第490話 第494話 時系列順 第483話 第342話 放送 -
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小ネタ あだ名 登場話数ランキング 遭遇数ランキング あだ名 本編もしくは感想議論スレで頻出する通称。愛称などを記載。 【登場人物】 十叶詠子 ←魔女 ティファナ ←ティー 火乃香 ←ほのちゃん ブルー・ブレイカー ←BB ゼルガディス? ←ゼル 折原臨也 ←外道王 ゲルハルト・フォン・バルシュタイン ←子爵 フォルテッシモ ←ff シロちゃん ←チャッピー,ファルコン,ホワイト,ロシナンテ アーヴィング・ナイトウォーカー ←アーヴィー マージョリー・ドー ←マー姐 エドワース ←ED,空気王 古泉一樹 ←空気王 小早川奈津子 ←なっちゃん アマワ? ←( ゚д゚)アマワー 【パーティー】 『美姫組』 千鳥かなめ,相良宗介,アシュラム,美姫 『戦慄舞踏団』(戦慄) ヘイズ,火乃香,×シャーネ?,コミクロン+オーフェン ×『佐山詠子夫妻』 佐山・御言,十叶詠子 ×『大集団』 舞台組:ダナティア,ベルガー,竜堂終,メフィスト (アラストール) 待機組:海野千絵,リナ,セルティ,折原臨也,藤堂志摩子,慶滋保胤,光明寺茉衣子 (エンブリオ) (シャナ) ×『地獄姉妹』 フリウ,シャナ ×『朱ヒース』『朱風』 九連内朱巳&ヒースロゥ ×『倉庫組』 長門有希&匂宮出夢+出雲・覚&アリュセ ×『不死者』『馬鹿ップル』 アイザック?&ミリア? ×『戯言ポップぴぴるぴ~』 いーちゃん,零崎人識,霧間凪,ドクロちゃん ×『学校組』 空目恭一,サラ,クエロ,クリーオウ,ゼルガディス?,秋せつら?,ピロテース ×『港組』 佐山・御言,宮下藤花,零崎人識+シャナ&ベルガー ×『ざれ竜デュラッカーズ』 萩原子荻?,ガユス,折原臨也,ベリアル ×『神社組』 九連内朱巳&ヒースロゥ+ヘイズ,火乃香,コミクロン ×『魔術師組』 宮野秀策,光明寺茉衣子,オーフェン ×『目指せ建国チーム』 リナ,ダナティア,シャナ,テッサ ×『マンション組』 リナ,慶滋保胤,セルティ+海野千絵 【その他】 G-5エリアに作られた小屋 ←ムンク 坂井悠二,ガユス,ベリアル,オーフェン ←不幸四天王 TOP 登場話数ランキング 順位 計 名前 1位 【36】 ベルガー 2位 【34】 ヘイズ × リナ / 慶滋保胤 5位 【33】 折原臨也 6位 【32】 × シャナ 7位 【30】 コミクロン / セルティ / ダナティア 10位 【29】 佐山・御言 11位 【28】 火乃香 / 零崎人識 13位 【27】 海野千絵 / 十叶詠子 × 竜堂終 16位 【25】 オーフェン 17位 【24】 フリウ × ガユス / パイフウ 20位 【23】 × 光明寺茉衣子 21位 【22】 相良宗介 / 風見・千里 / 古泉一樹 / 小早川奈津子 / ドクロちゃん / クリーオウ 27位 【21】 甲斐氷太 / キノ / ブギーポップ / 千鳥かなめ × ベリアル / しずく / 哀川潤? / 高里要 36位 【20】 クレア / 子爵 / 福沢祐巳 × クエロ / シロちゃん / 藤堂志摩子 / メフィスト 44位 【18】 BB / 李淑芳 46位 【17】 ギギナ / 匂宮出夢 / 長門有希 × ヒースロゥ / 美姫 / アイザック? / ミリア? / 霧間凪 / ボルカン? 55位 【16】 ウルペン × 空目恭一 / ミズー / いーちゃん / サラ 61位 【15】 × 宮野秀策 62位 【14】 九連内朱巳 × 平和島静雄 / テッサ / 坂井悠二 / マージョリー / 秋せつら? 68位 【13】 佐藤聖 / アシュラム × ハーヴェイ / 神父 / 新庄・運切 / 萩原子荻? 74位 【12】 出雲・覚 / アリュセ 76位 【11】 ピロテース × キーリ / アーヴィー / ED / 屍刑四郎 81位 【10】 × シャーネ? / カイルロッド 83位 【09】 × ff / オドー 85位 【08】 × ゼルガディス? / 小笠原祥子 87位 【07】 × 物部景 / ヴィル / 島津由乃 90位 【06】 × キノの師匠 / アメリア? / 李麗芳 / オフレッサー 94位 【05】 × シズ / 袁鳳月? / 趙緑麗? / イルダーナフ 98位 【04】 × 一条京介? / ジェイス? / キョン / 涼宮ハルヒ / 鳥羽茉理? / リリア 104位 【03】 × ゼロス? / クルツ? / ディードリット 107位 【02】 × ティファナ / ズーマ? / 呉星秀? / ガウルン? / 御剣涼子 / ヤン / 朝比奈みくる / マジク? 115位 【01】 × 天樹錬 / 一条豊花 / ヴォッド? / 天色優? / シュバイツァー / 竜堂始? TOP 遭遇数ランキング 非参加者は除く。遭遇した参加者のみカウント。 計 名前 【33】 × ダナティア 【31】 × 終 【30】 × シャナ 【26】 零崎 【25】 なっちゃん 【24】 臨也 / ベルガー 【23】 オーフェン 【22】 × 茉衣子 / メフィスト 【20】 フリウ 【19】 千絵 / リナ / ドクロちゃん 【18】 詠子 / ギギナ / 火乃香 × 志摩子 【17】 ヘイズ / ウルペン / 祐巳 / 古泉 【16】 宗介 / コミクロン 【14】 かなめ / 聖 / アシュラム / 出夢 × セルティ / 凪 / マージョリー 【13】 キノ / 甲斐 / ブギー / 佐山 / 長門 × 保胤 / いーちゃん 【12】 × クエロ / 悠二 / サラ 【11】 子爵 / ピロテース / 出雲 / 風見 / アリュセ / クリーオウ × ベリアル / ガユス 【10】 クレア / 美姫 【09】 BB × 空目 / ミズー 【08】 朱巳 × テッサ / 祥子 【06】 淑芳 【05】 × ヴィル 【04】 × 景 【03】 × 麗芳 / みくる 【01】 × 錬 / 豊花 / シュバイツァー / ヤン TOP
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地図 白地図 参加者現在位置(ネタバレ注意) 【10-252レス、2日目00 30まで】 地上 001 物部景 018 キノ 035 趙緑麗 052 シロちゃん 069 ピロテース 086 匂宮出夢 103 イルダーナフ 002 甲斐氷太 019 シズ 036 セルティ 053 アーヴィー 070 慶滋保胤 087 キョン 104 アリュセ 003 海野千絵 020 キノの師匠 037 平和島静雄 054 神父 071 佐山・御言 088 涼宮ハルヒ 105 リリア 004 ベリアル 021 ティファナ 038 折原臨也 055 千鳥かなめ 072 新庄・運切 089 長門有希 106 ドクロちゃん 005 十叶詠子 022 火乃香 039 一条京介 056 相良宗介 073 出雲・覚 090 朝比奈みくる 107 秋せつら 006 空目恭一 023 パイフウ 040 一条豊花 057 ガウルン 074 風見・千里 091 古泉一樹 108 メフィスト 007 ギギナ 024 しずく 041 クレア 058 クルツ 075 オドー 092 ED 109 屍刑四郎 008 ガユス 025 BB 042 シャーネ 059 テッサ 076 宮野秀策 093 ヒースロゥ 110 美姫 009 クエロ 026 リナ 043 アイザック 060 福沢祐巳 077 光明寺茉衣子 094 シャナ 111 オーフェン 010 ヴィル 027 アメリア 044 ミリア 061 小笠原祥子 078 ベルガー 095 坂井悠二 112 ボルカン 011 ヘイズ 028 ズーマ 045 子爵 062 藤堂志摩子 079 シュバイツァー 096 マージョリー 113 コミクロン 012 天樹錬 029 ゼルガディス 046 ヴォッド 063 島津由乃 080 ヤン 097 高里要 114 クリーオウ 013 フリウ 030 ゼロス 047 ブギーポップ 064 佐藤聖 081 オフレッサー 098 小早川奈津子 115 マジク 014 ミズー 031 袁鳳月 048 霧間凪 065 ジェイス 082 いーちゃん 099 鳥羽茉理 116 サラ 015 ウルペン 032 李麗芳 049 ff 066 御剣涼子 083 零崎人識 100 竜堂終 117 ダナティア 016 キーリ 033 李淑芳 050 九連内朱巳 067 ディードリット 084 哀川潤 101 竜堂始 017 ハーヴェイ 034 呉星秀 051 天色優 068 アシュラム 085 萩原子荻 102 カイルロッド 地下